Whereabouts; by G.D.M.T.

2012
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馬の骨・その2



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もうけてなにがわるい、という、そのとおりだ。











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他人の不幸を踏み台にして肥ったりせず、

人間の弱点につけこんで売り上げをのばしたりもせず、











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ぼくらの暮しに役立つ、いい品だけを作ったり、

売ったりしているかぎり、もうけてわるいはずがない。

そんなふうに考えて、仕事をしている会社や人間だったら、

大いにもうかるのが、ほんとうなのだ。











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しかし、いま、そんな会社や人間が、

どれだけあるというのか。











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ひとの暮しに役に立たなくても、

ひとの暮しをダメにすることがわかっていても、











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売れさえしたら、それでいい、

売れるためなら、どんなことでもする、

そんな会社や人間ばかりだ。











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そんな会社や、そんな会社の後押しをした政府が、

いま、日本の繁栄をつくりあげてやったのは、

じぶんたちだ、と胸を張っているのだ。











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そうなのか、ほんとうにそうなのか。











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それなら、見るがいい。

そんな企業を後押ししてきた政府よ、

見るがいい。











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誇らしげに、君たちが作り上げたという、その世の中を、











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目をそむけないで、はっきりと見るがいい。












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繁栄とは、なにか。

ゆたかな暮しとは、なにか。











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君らが狂気のように作り出す工場の煙で、

ぼくらの空は、いつも重たく曇ってよどみ、

君らが平然と流し続ける廃液のために、

ぼくらの川と海は、いつも暗く腐って流れようとはせず、












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君らの作ったものの出すガスのために、

ぼくらの木と草は、夏に枯れて、春にも花をつけない。











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君らのために、ぼくらのまわりから、緑は失われ、

君らのために、ぼくらはいま、ちっぽけな土地に、

ちっぽけな家を建てる望みさえ絶たれ、











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君らのために、ぼくらはいま、

食卓にのぼせる魚にも毒はないかと心を痛める。











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しかし、

悔しいことだが、











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こんなひどい世の中にしてしまったのは、

君らだけの罪ではなかったのだ。

悔やんでも悔やみきれないのだが、

君らが狂ってしまって、血眼になって、

もうけだけに走るのを、だまって見ていて、

止めようとしなかった、ぼくらも狂っていたのだ。











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ぼくらは、もうずいぶんと長く生きた、

ぼくらは、もういい、

ぼくらは、もうどうなってもいいのではないか。











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ぼくらは、自分のこどものために、

そのまた、こどものために、

ぼくらだけは、狂った繁栄とわかれて、

そこへ戻ろう、そこから出直して、

ぼくらは、じぶんのつくった罪を、

自分の手であがなってゆこう。











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ぼくらの暮しをおびやかすもの、

ぼくらの暮しに役立たないものを、

それを作ってきたぼくらの手で、











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いま、それを捨てよう。 /  花森安治( 1911-1978.1.14 )



【今日の一曲】

King Crimson『 21st Century Schizoid Man 』
http://www.youtube.com/watch?v=-6_B6zhENrQ




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